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初めて前世体験をしました.
頭の中で何を考えていいのかわからなかったのですが、手のひらに光が入り重さを感じ始めると、その後は静かにストーリーが展開していきました.
*私は15歳*
レースの縁取りのベールをかぶり、紺のベルベットのワンピースを着ている.石でできた小さな部屋はとても暗く、ひんやりしている.
年齢をさかのぼっていくと
*私は3歳*
草原を走りまわっている.古びた木の家の前におばあさんが立っている.私を心配そうに眺めている.私はおばあさんの目を覗き込んだ.
苦労を重ねたしわだらけの顔の中に、ブルーの瞳.先生の呼びかけで、家の中に入った.中は暗くてよく見えない.足元に大きな長靴があった.おじいさんの長靴だと感じた.
壁にセピア色の写真が飾ってある.集合写真のようだが顔は見えない.そこには両親の姿も気配もなかった.
*私は9歳*
大きな木の下にお墓がある.まだ新しいお墓.おじいさんが死に、おばあさんが死んだ.私はお墓に白いエーデルワイスの花飾りをかけた.
そして、黒いシルクハットの口ひげをたくわえた男の人に連れられてスイスの山を降りた.長いこと馬車に揺られて、フランクフルトの小さな路地についた.
雨の降る夜、外灯がぼんやりとついている.木の扉を開けると、中から体の大きい男の人が出てきた.部屋からはあたたかいオレンジ色の明かりがもれている.
奥には赤ん坊を抱いた若い奥さん(今生の看護学校の先生)がいた.そこはパン屋さんだった.私はその家で赤ん坊の子守りをしながら一緒に暮らした.
しかし間もなく、街中が火事になった.パン屋も瓦礫の下になり、パン屋の夫婦と赤ん坊の行方はわからなくなった.
私は頭の上からマントをかぶり、石畳の街をさ迷い歩いた.川の向こうに森が見える.私はスイスに帰りたくなった.しかし、帰る道がわからない.
やがて私は橋の上でストリートチルドレンになった.火事のせいで、同じような境遇の子どもは大勢いた.橋は子どもであふれていた.同年代の子どもと一緒に暮らすのは、案外気楽で面白かった。
冬が来る前に橋の上の子供たちは皆、大きな荷台に乗せられて寄宿舎や修道院に入れられた.私も修道院に入った.シスター(今生の祖母)は温かく私を迎えてくれた.
私はすぐにその生活になじんでいった.教会でのミサは目を見張る美しさだった.祭壇は黄金色に輝いていてまぶしかった.
*私は18歳*
別の教会にいる.ブルーのステンドグラスが美しい教会だ.もう一人のシスターと一緒に神父のお手伝いをしている.
*私は40歳*
まんまるに太っている.ころころだ.
私は湖のほとりにあるこじんまりとした教会の門の前にいる.小さないすに座って、和やかな表情で来訪者を招きいれている.
中庭では子供たちが飛んだり寝転がったりしながら神父の話を聞いている.とても楽しそうだ.
*私は60歳*
神父の柩を金色の刺繍のある白い布で覆っている.悲しみの心は感じ取れない.勤めをやり遂げたような充実感が伝わってくる.
*私は62歳*
病床にいる.体に痛みは無く満ち足りている感じ.
若いシスターたちが私の世話を献身的にしてくれている.玄関の扉が開いていて、外の植物や木々の緑が目に優しい.
シスターが往来するのが見える.ベッドサイドにもシスターが座っていて、私のふっくらした左手を握っている.私は右手でエーデルワイスを握っている.
*私は64歳*
私のお葬式.春だろうか.芝の緑、日差しがやわらかい.喪服姿の人が30人くらいいる.大勢の人に私は見守られていた.
先生に自分の人生が完全に終わっている事を告げられて、彼女は驚いて本当に申し訳なさそうに、私に「ごめんね.ごめんね.」と言う.
私は「とんでもない.」と思う.
私のこれまでのホスピタリティの多くは、あなた(* TOさんの過去世のシスター)の影響が強かったと思うから、私もいい体験をさせてもらってきたと思ったから.
だから出会った日(気づいた日)にお別れするのは寂しかった.
けれど先生は、私が私の人生を生きるために必要なことだと言う.
その通りだと納得して、彼女に感謝して光の中へ帰ってもらった.
雲の上で、おもちのような形になってしまったけれど、彼女にあえて嬉しかったです.
私は最後まで彼女の名前がわからなかったので、彼女の大事にしていたお花の名前を彼女につけたいと思います.
彼女の名はエーデルワイス.
彼女のこの人生の目的は「救済」であった事、子供の頃は孤独だったが、晩年は孤独には程遠く皆に囲まれた幸せな人生であった事、そしてその人生で「その場その場で与えられた任務を忠実に行っていく事を学んだ事」を告げてくれました.
彼女からもらったメッセージは「救済.与えられた役割を忠実にこなすこと.助けあうこと.」
58回前の前世、この体験が私のスタートラインです.先生、どうぞこれからもよろしくお願い致します.
エーデルワイスがTOさんにあやまっていた姿は,とても微笑ましいものでした.きっとTOさんと一緒に人生を謳歌していたのでしょう。
今,光に帰って光の中からTOさんを見守っている事でしょう。
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